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情シスのTCO削減戦略~第三者保守で実現する「更改延期」という選択肢~

メールボックスに届く「保守終了(EoL)」の通知を見て、「また更改プロジェクトか…」とため息をついていませんか?

各拠点のスイッチ更新、新規拠点開設、そして来期の予算策定。多忙を極める情報システム部門において、メーカー主導のサイクルに合わせた「強制的なリプレイス」は、コスト面でも運用面でも大きな負担となっています。

本記事では、ITインフラのTCO(総保有コスト)削減において重要な鍵となる「第三者保守」や「Network as a Service(NaaS)」を活用した戦略的な延命手法を解説します。更改を「義務」から「自社のための戦略的選択」へと変えるための、現実的なアプローチをご紹介します。

目次

情シスの命題 ”TCO削減”の最適解とは

経営層から求められる「TCO削減」と、老朽化対応で増加し続けるコスト。この板挟み(ねじれ)を解消するために必要なのは、「メーカー保守終了 = 即リプレイス」という固定観念からの脱却です。

ネットワンネクストでは、多くの企業のICT基盤ライフサイクル管理を支援してきた知見に基づき、以下の3点を軸とした対策を推奨しています。

  1. 「見えないコスト」の可視化: 機器代金以外の社内調整・検証工数がTCOの大きな割合を占めることを再認識する。
  2. ハイブリッド保守の採用: すべてをメーカー保守で賄うのではなく、重要度や用途に応じて「第三者保守(NEXT保守)」を組み合わせる。
  3. 資産の「所有」から「利用」へのシフト: 運用負荷が高い領域には「NaaS(NEXT-NaaS)」などのサービス利用を検討する。

見積書には現れない「隠れコスト」の正体

更改プロジェクトの稟議書には、ハードウェア費用やSI費用が記載されます。しかし、それは氷山の一角に過ぎません。
私たちが支援する現場において、情シス担当者の時間を奪い、真の負担となっているのは以下の「見えない支出」です。

コスト項目 具体的な内容(情シスの工数)
調達プロセス工数 ・稟議作成、ベンダーコントロール、複数社見積の精査
・連携システム事業者との仕様確認
プロジェクト管理費 ・受け入れテスト計画と実施
・全国拠点とのスケジュール調整、現地立ち合い調整
運用変更コスト ・資産管理台帳の更新、EOSL管理
・監視設定の変更、オペレーション手順書の改定
機会損失コスト ・更改対応にリソースを奪われ、DX推進やコア業務へ着手できない損失

これらのコストはキャッシュアウトが見えにくいため見過ごされがちですが、これらを削減・回避することこそが、本質的なTCO削減に繋がります。

課題解決のプロセス:第三者保守とサービスシフトによる延命戦略

では、どのように更改対象を選別すべきでしょうか? ネットワンネクストでは、以下の3段階でインフラの棚卸しと方針決定を行うことを推奨しています。

Step 1. 資産の重要度分類(トリアージ)

すべての機器を一律に扱うのではなく、役割に応じて分類します。

  • Core領域(データセンター・基幹NWなど)
    • 最新機能と高頻度なアップデートが必要 → メーカー保守(通常通りの更改)
  • Edge/Access領域(拠点スイッチ・無線APなど)
    • 機能が枯れており、安定稼働が優先される → 第三者保守による延命の検討対象

Step 2. 移行フィージビリティの確認

延命対象とした機器について、現実的な運用が可能か確認します。

  • 対象機器の部材が市場(または保守ベンダー)に確保されているか。
  • 現在のファームウェアバージョンで安定稼働しているか(第三者保守ではバグ修正パッチが提供されないため、現状維持が前提となります)。

Step 3. 保守形態の選定と適用

導入事例:多拠点展開を行う製造業A社のケース

課題:
全国50拠点のL2スイッチが一斉にメーカー保守終了(EOL)を迎え、更改費用と交換作業の調整工数が許容範囲を超えていた。

施策:
故障率の低い拠点スイッチについて、メーカー保守終了後、ネットワンネクスト提供の第三者保守へ切り替え、更改を3年間延期した。

効果:

  • 投資の平準化: 一斉リプレイスによる突発的な巨額支出を回避し、段階的な更改計画へと移行できた。
  • 人的リソースの確保: 交換作業が不要になった期間、情シス担当者は基幹システムのクラウド移行プロジェクトに注力可能となった。

導入検討時によく課題となる懸念点と対応策

第三者保守は万能ではありません。メリットだけでなく、制約を正しく理解し、適用箇所を見極めることが成功の鍵です。

1. セキュリティアップデートに関する制約

  • 前提事項: EOL後の機器には、新規のセキュリティパッチやファームウェア更新は提供されません。
  • 判断基準: インターネット境界(ゲートウェイ)など、常に最新の防御が必要な箇所への適用は推奨しません。一方、閉域網内のスイッチや、外部攻撃リスクが極めて低い内部ネットワークなど、「パッチ更新がなくともリスク許容できる箇所」であれば、十分に活用可能です。

2. エッジケース(レガシー環境・部材枯渇)への対応

  • 既存環境の維持: 独自仕様や古いプロトコルを使用している環境では、無理なリプレイスで不具合を招くより、現状構成を維持できる第三者保守が安定運用に寄与します。
  • 部材品質の確保: ネットワンネクストでは、独自の厳しい品質基準をクリアした再生品在庫を確保しており、SLA(サービス品質保証)に基づいた先出しセンドバック等の保守を提供します。

結論:更改を“選べる”情シスへ

第三者保守やサービス利用へのシフトは、単なる「コストカット」の手法ではありません。「メーカーの製品サイクル」に振り回される受動的な運用から、「自社のビジネスサイクル」に合わせてインフラ投資をコントロールする能動的な運用への転換です。

  • 必要なタイミングで、必要な機器だけを更改する。
  • 浮いたリソースと予算を、攻めのIT戦略に投資する。
  • 突発的な支出を抑え、予実管理の精度を高める。

これこそが、これからの情シスに求められるTCO削減の現実解です。


貴社のネットワーク機器は延命可能?まずは状況をお聞かせください

「自社の機器が第三者保守の対象になるか知りたい」「現在の保守費と比較してどれくらい安くなるかシミュレーションしたい」といったご相談を承っております。

ネットワンネクストへのご相談・延命可否の確認はこちら


よくある質問(FAQ)

Q1. 第三者保守(EoL保守)とは何ですか?
メーカーのサポート期間(EoL)が終了した機器に対し、メーカーに代わって第三者のベンダーが保守サービスを提供する仕組みです。メーカー都合によらず、安全に機器の利用期間を延長(延命)できます。

Q2. 故障時の対応はどうなりますか?
ネットワンネクストの「NEXT保守」では、独自基準を満たした再生品部材をストックしており、障害発生時には代替機の配送(先出しセンドバック等)や駆付け交換を行います。SLAに基づき、メーカー保守と同等の安心感を提供します。

Q3. どのような機器が第三者保守に向いていますか?
最新機能の追加が不要で、仕様が安定している拠点用L2/L3スイッチや無線LANアクセスポイントなどが主な対象です。詳しくは弊社担当者が現在の構成をヒアリングし、選別をサポートします。

Q4. セキュリティパッチが提供されない点はどう考えるべきですか?
脆弱性対応が必須となるインターネット境界ではなく、影響が限定的な内部ネットワーク機器など、リスクを許容できる環境を選定することが重要です。この「リスクの切り分け」についてもご相談いただけます。

Q5. TCO削減効果はどの程度ですか?
お客様の運用状況によりますが、ハードウェア更改費用の先送り効果に加え、検証・導入工数の削減を含めると大きなインパクトがあります。比較検討のための概算シミュレーションも可能ですので、お気軽にお問い合わせください。